Colomn 5 西荻関連書籍ナビ
第一回 『西荻夫婦』
これから、西荻ナビで掲載している西荻関連書籍のナビゲートをしていく。西荻窪に興味がある貴方と西荻窪に住んでいる貴方が、手にとってみたい本や気に入る一冊を見つけるお手伝いが出来れば幸いだ。
第一回目に選んだのは やまだないと著 『西荻夫婦』だ。本の種類は漫画。
一人で歩くことなんて考えられない。
(西荻夫婦p155より)
という、説明のようなよくわからない文章が添えられているので、気になった方も多いのではないだろうか。
この一文は、ほぼ全編漫画で構成されている本書の中で、物語が後半に差し掛かる頃に、突如として絵が一切ない文章だけのページが8ページ差し込まれた中に出てくる最後の一文だ。(p148からp155)
私はいつもここの文章を読むと、どうしても泣いてしまう。
切ないというより、もっと、胸に痛くて。
本の内容はというと、『西荻夫婦』というタイトル通り、西荻窪に暮らす一組の共働き夫婦の日常生活の漫画だ。夫のナイトーさんは漫画家。妻のミノワさんは会社員。
2人は元々友達で結婚して7年、付き合って8年。主にミノワさんの視点で2人の日常や思い出が淡々と描かれている。
漫画の中で使われている風景は、西荻窪で実際に撮った写真が多く、住人には2人がどこを歩いているか、手にとるようにわかることだろう。
私はこの漫画の『空気』が非常に好きだ。まだ10代の学生時代にこの漫画に出会った。この本を読んで西荻窪という土地に行ってみたくなった。そして実際出かけて、西荻窪の駅に降りた時、この漫画の『空気』と同じものを、この街にも感じた。
そして、今20代の私は西荻窪に暮らしている。
いつのまにか… わたしたちは街にとけこんでいる
ときどきそれがうそくさく ときどき他人事のよう
(西荻夫婦p112とp114より)
私が西荻窪に暮らすきっかけとなった本。
貴方にとってはこの本で、どんな西荻窪を感じられるだろうか。
《 登場する実在のお店 掲載順 》
『西荻 長崎亭』…ちゃんぽんのお店
『鳥介』…焼き鳥屋
『甘いっこ』…甘味屋
『戎』…焼き鳥屋
『それいゆ』…喫茶店
『NEWBURY CAFE』…カフェ
(ローストビーフの『真砂』は閉店)《 本の情報 》
西荻夫婦 (フィールコミックスGOLD)
やまだ ないと (著)
コミック: 173ページ
出版社: 祥伝社 (2001/04)
ISBN-10: 4396762453
ISBN-13: 978-4396762452
発売日: 2001/04
第二回 『東京あんこ案内』
西荻窪には、漫画家・作家・イラストレーターなどの職業の人々が沢山住んでいて、駅前のこけし屋でよく作品の打ち合わせをしている…。そんな噂を耳にしたり、実際にそんな光景を見たことがある人はいるだろうか?
私は西荻窪に住んでもうすぐ3年目になるのだが、こけし屋でなくとも珈琲店や喫茶店に入るときは、無意識にもそんな場面にあたらないかと店内をキョロキョロしてしまう。結局、今に至るまでそれらしい光景を見かけたことはないのだが…。
第二回目に紹介するのは、そんな私の願いをある意味叶えてくれた、時川真一さんの『東京あんこ案内 手作りあんの美味しいお店44』だ。本の帯にはたい焼きとどら焼きを手にした時川さんのイラストと、『楽しいイラストマップ付きで、休日の散策ガイドに最適!』とある。
本の構成は第1章から第4章と幾つかのコラムに分けられ、全編カラーのイラストで一店一店お奨めのあんこ製とお店の紹介が、見開き2ページずつ丁寧に展開されている。
たい焼きに豆大福にどら焼きにあんぱん…。とにかくあんこ、あんこ、あんこ!あんこ製品尽くしのページをめくる度に、こちらのあんこへの欲求は否応なしに高まり、実際に食べたくなること間違いなしだ。
勿論全編に渡って東京のあちこちのお店が紹介されているが、第3章のタイトルは、ズバリ『西荻窪であんこなハシゴ』。西荻窪にある4店舗が紹介されている。(掲載店は下記を参考にどうぞ。)
掲載店のイラストマップもついているので、「このお店は行ったことあるぞ!うんうん。アレ美味しかったなあ。」「あのお店は知らないぞ?ここにあるんだぁ。今度行ってみよう!」などと、今後の西荻窪散歩にもばっちり活用できそうだ。帯に偽りはなかった!
ちなみに、時川さんはブログやツイッターの更新も頻繁にされている。ブログ『トキシンのイラストレーター的生活』には『西荻窪』や『西荻ラブ画報』というコンテンツもあるので、西荻住人は要チェック。本書『はじめに』の中では秘密になっている、時川さんお気に入りのあんドーナッツのお店も紹介されていましたよ。(そのお店は本書の『おわりに』を読めばわかるかも。)
また、Twitterやブログで覗ける時川さんの日常では、西荻窪のお店での打ち合わせも頻繁にされているようなので、私が夢みた光景を実際に見ることが出来る日は近いかもしれない。
《 登場する実在のお店 掲載順 》
『越後鶴屋』…開運大福
『喜田屋』…豆大福
『えんツコ堂製パン』…あんぱん
『甘いっ子』…あんみつ《 本の情報 》
東京あんこ案内 手作りあんの美味しいお店44 (単行本)
時川真一(著)
単行本: 96ページ
出版社: 東京地図出版 (2009/10/14)
言語 日本語
ISBN-10: 4808585685
ISBN-13: 978-4808585686
発売日: 2009/10/14《 関連リンク 》
ブログ:
『トキシンのイラストレーター的生活』
http://tokishin.exblog.jp/
Twitter:
http://twitter.com/tokishin66
ホームページ:
『“TOKISHIN'S CREEL”イラストレーター・時川真一のホームページ』
http://tokikawa.exblog.jp/
『トキシの秘密基地!』
http://www5d.biglobe.ne.jp/~tokishin/
第三回 『サウンドトラック』
「君、西荻在住なの?西荻って宝くじが凄い流行っているんだってね!西荻住人はみんな占いがめちゃめちゃ好きらしいから。」
「えー!?そんな噂、初めて聴いたよ!西荻に住んで3年目だけれど、別にそんな印象ないしなあ…。大体私自身占い好きじゃないし。。一体、誰に聴いた情報なの?」
そんな会話を、ちょっと前に仙台在住の友人とした。よくよく話を聴いてみると、どうやら西荻が出てくる本を読んでの情報らしい。自分の知らない西荻のイメージを仙台の友人が持っているのが面白くて、その本を読んでみることにした。
本書はフィクションであり、実在の企業・組織などとは
無関係であることをお断りします。
それが古川日出男著「サウンドトラック」(集英社文庫で上下巻)だ。本を開いて早々にまず黒字に白抜きでドーン!とフィクション宣言がしてある。 2003年9月に刊行されたこの本では、未来にあたる2009年の東京が舞台だ。
ここで描かれる東京はヒートアイランド現象によって熱帯と化し、外国人排斥運動も激化している設定である。勿論、2010年の今から見て過去である現実の2009年東京とは異なっている。
激変した東京で、ふたりが出会ったものとは――。
疾走する言葉で紡がれる、新世代の青春小説。(上巻裏表紙より)
簡単にこの本の内容を説明しよう。
幼い頃海難事故に遭い、漂着した無人島で生き抜いた経歴を持つトウタとヒツジコという2人の男女が主人公。この2人が成長した後離れ離れになるが、それぞれ東京の別の場所で暮らすようになり、この異様な東京をそれぞれの理由で崩壊に導いていくことになる。
西荻窪というエリアもわずか一年で激変して純日本人の保護区(サンクチュアリ)と化す。(上巻p160より)
西荻窪に関する描写は上巻160ページ(第十章)から始まる。
主人公の一人であるヒツジコの暮らす西荻窪は、私が良く知っているニシオギ描写も交えつつ、当然のごとくフィクションいっぱいに描かれている。
西荻窪駅北口には「ここは日本です!日本語を使いましょう!」と書かれた幟が立ち並んでいたり。西荻住人は宝くじや占いに群がり、銀行の宝籤売り場に300mもの行列が続いたり。町内会では「ニシオギ婦人」により純日本人を増やすため子作り推進運動が起こったり。「ニシオギ万歳!」と叫ぶ群衆により、タイ料理店もトルコ料理店も襲撃されてしまったり。「安全な西荻地域社会をめざして」という基金により、違法に武装した自警団が西荻地域をパトロールしていたり。西荻では聖動物として猫があがめられ、その首輪の色で吉凶が占われていたり。…あれ、これはちょっと本当かも(笑) とにかく現実の西荻窪との違いを挙げていったら枚挙はいとまがない。
そしてヒツジコは全ニシオギ人を迎え撃つ。(下巻165pより)
このフィクションの西荻窪とニシオギ住民が、この物語でどういう結末を迎えるか知りたい方は、是非ご自分でその続きを読んで頂きたい。西荻住人との話のネタになること間違いなしだ。ただし、フィクションと言うのを忘れずに!
《 本の情報 》
サウンドトラック (上) (集英社文庫) (文庫)
古川 日出男 (著)
文庫: 312ページ
出版社: 集英社 (2006/9/20)
言語 日本語
ISBN-10: 4087460770
ISBN-13: 978-4087460773
発売日: 2006/9/20サウンドトラック (下) (集英社文庫) (文庫)
古川 日出男 (著)
文庫: 360ページ
出版社: 集英社 (2006/9/20)
言語 日本語
ISBN-10: 4087460789
ISBN-13: 978-4087460780
発売日: 2006/9/20







