特集コラム

Column 1 西荻窪のおみせ

2010/06/04

英会話カフェ メルティング・ポット

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「まさか西荻窪で?」なのか「やっぱり西荻窪だから!」なのかはわからないけれど、西荻窪駅南口徒歩10秒の場所に、英会話カフェがあるのをご存知だろうか。あくまで英会話スクールではなく、英会話カフェ
名前は『メルティング・ポット』
“人種のるつぼ”という意味だそう。
しかし、一体英会話カフェってどんな所なの?ちなみに記者である私の英会話能力は高校生並み…。そのくせ仕事で毎日のように外国のお客様対応の機会があるので、日ごろから秘かに英会話を上達したい!という思いを秘めていたのだ。
という訳で、「1000円留学」と掲げられた看板に誘われて、ビルの3階にあるメルティング・ポットに体験取材に行ってきた。

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さて、まずはシステムの確認。後払いの時間制で、料金は一時間1000円(チケットなし1500円)。エグゼクティブ会員になればもっと安くなるそう。店内は日本語禁止で珈琲・紅茶はフリードリンク。アルコールと食べ物以外はドリンク持込OKとのこと。

店内に入ると、12畳ぐらいの空間にカウンターとテーブルが二つ。このテーブルは英会話初級と中級に分かれていて、外国人スタッフが一人ずつ座っているので好きな方に座るシステムだそう。
現在在籍する外国人スタッフは6名で、国籍も性別も年齢も人種も様々。まさにメルティング・ポット!担当は曜日によって変わり、どんな先生が何曜日にいるかはメルティング・ポットのサイトで確認できる。動画によるスタッフの自己紹介もあるので気になる方は要チェック♪

私が来店した時間(16時頃)には外国人スタッフは1人のみで、既に来店していたカフェのお客さん2人と3人で会話の最中。この日の外国人スタッフは、黒髪高身長のイケメン、James君20歳。このJames君だけは全曜日の常時間に在籍するスタッフ。

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緊張しつつとりあえず全員に「hello!」と挨拶をした所、まずはカウンターにいる日本人スタッフの方に名前を名乗り飲み物の注文を。テーブルの上には全員のネーム札があり、私も珈琲を頼み自分のネーム札を作って貰い、ようやくJames君ら3人がいるテーブルの席に。

すぐにJames君がニコッと笑い私のネーム札を見て「Hello! “Raku”. Nice to meet you!」と当然ながらいきなり英会話スタート!私も慌てて中学で習った「な、ないすとみーちゅーとぅー!」を思い出し返答。先客であるお二方も今までの会話をやめ、挨拶と自己紹介を英語でしてくれた。日本人同士だとやはりちょっと照れ気味になるのはご愛嬌(笑)

しかし、一体この後何の話をするのだろう?スクールではないので、電子辞書は持ってきたけれど教科書はないし、何と言っても全員初対面。うひゃー!緊張するぞ!!
そんな私の心配を横に、James君を中心に会話は自然に進んでいく。お互い簡単な自己紹介をする中にもJames君は「幾つに見える?」と皆に聞いたり、一つ一つ身振り手振りやジェスチャーなどで会話を楽しむための配慮には関心するばかり。それにつられてか日本人である客側の2人も驚くぐらい積極的になっていく。むむ、私も会話に入りたい!

しかし、いくら焦っても私がいきなりペラペラ喋れるはずもなく、早速「単語」がわからない。込み入った内容になると他の人の会話が聞き取れないしついていけない。何より『外国人』であるJames君にやはり多少気後れしてしまう。店内は日本語が禁止というし、質問も出来ないよね…。そしてJames君は日本語がわからなそう…。困ったなあ。。どうしたらいいの?!

そこにあっさり日本語が聞こえた。「Jamesはこう言っているのよ(笑)」他のテーブルに座っていたマネージャーの鳥越さんが助け舟をだしてくれて、会話を解説してくれた。よく会話を聴いていると日本人参加者同士も一生懸命英語を喋ろうとするが、やはり時々は日本語も使わざるをえないし、それをきつく禁止もしていないようだ。
「ええっと、自分が“おてんばだった”って言いたいんですけれど、おてんばって単語は…?」と発言した女性客をきっかけに皆で辞書をひくことになった。「あった!“tomboy”だね。」「へー初めて聞いた!」「メモしてまた使おう。」「じゃあ、言い直しますね。I was tomoy(笑)」
こんな感じで必要とあれば日本語も混じえつつ、色んな会話が進みあっという間に一時間が終了。会話が終わる頃には、最初いかつい黒い革ジャン姿に気後れしていたJames君が、日本の少女漫画が好きだという事実まで知り、親しみが湧いていたので正直会話を終えるのが名残惜しかった。

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そして、カフェの体験取材が終わった後に、マネージャーである鳥越さんにお話を伺った。
もともと80'sのファンであった鳥越さんの原点は、当時小林克也がMTVで流した一枚のレコード"We are the world"だ。この曲は、1985年に45名のアメリカを代表するトップシンガー達が、アフリカの飢餓の子ども達を救済するために作られた平和のための曲である。この曲を聞いて感動した鳥越さんは、提唱者のひとりマイケルジャクソンがこの世を去った2009年に、言葉の壁を越えて人種・貧富の壁を越えるべくメルティング・ポットを立ち上げた。
「小さな小さな力ではあるけれど英会話カフェを起動いたしました。ます言葉を越え、話しましょう。自分から世界標準、地球サイズで世の中を見てみませんか?We are the world と唄いながら。」と語ってくれた。

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会員数は現在約400名。リピーター率は7、8割と高い。日曜はビジネスのための30代から50代のサラリーマンが多く、平日午前は40代から60代の主婦が多いそう。子育てを応援しているので子連れでの利用もOK。スタッフがシッターをする場合もある。
その他TOEICや英検受験者や学生の受験などや全くの初心者など、利用者は目的に応じて様々だ。
利用者の英会話レベルに合わせ、文法書や中学の教科書も用意し、必要な場合は使用するが、通常のカフェでの会話だけではやはり満足できないという利用者に向けて、本格的に英会話勉強を目的とした「スタータークラス」や、他のゲストと共有できない内容の場合「プライベートレッスン」、TOEICなどの受験者に向けての「TOEIC GROUP LESSON」などで対応している。また、外国人スタッフの中に中国の方も在籍するので、週一で中国語講座も行っている。 店内は通常最大人数8名と決して大きくはないが、月に数回“Talk Party”や“Sing along Party”と言った名前のパーティを行い、会員が集い外国人スタッフの郷土料理や洋楽のカラオケなどで親睦を深めているという。

英語を話したい理由は人それぞれ。学ぶ方法もいっぱいある。しかし、何事も最初の一歩を踏み出さないと始まらない。貴方の英会話上達への最初の一歩を、"We are the world"の精神が漂うメルティング・ポットの1時間から始めてみるのはどうだろうか。西荻窪も世界の一つということが実感できること間違いなしだ。

英会話Cafeメルティング・ポット
http://mltpot.com/index.htm
住所:東京都杉並区西荻南3-25-5 とみやビル3F
電話:03-6454-2924 定休:木曜
営業時間:
平日PM3時からPM10時
土曜PM1時からPM10時
日曜PM1時からPM9時
*PM8時以降のご利用は、電話での予約が必要です。
(土日、祝日の混雑時は2時間までとさせていただく場合がございます。)
料金:一時間ごと1000円(チケット利用)、1500円(チケットなし)
チケットは6時間分(6枚綴り、発行日より3か月間有効)6,300円(税込)で販売。

*エグゼグティブ会員、各種コースやレッスン、イベント情報については サイトの案内を確認していただくか、お店に直接お問い合わせ下さい。

文・取材 / raku

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