特集コラム

Column 1 西荻窪のおみせ

西荻窪のおみせ
2012/01/13

古本屋 TIMELESS

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「西荻窪の方たちって、アートへの嗅覚が鋭いと思うんです。なので、もともとアートは好きでしたし、アート寄りの古本屋を西荻窪で始めました。ぜひ地域密着型でやっていきたいですね」

2011年8月8日にオープンした古本屋TIMELESSの店長、岩崎海さんは真摯にそう語ってくれた。真摯でありながらも、やさしい口調は朗らかで、清々しくて、温かく、僕にまでやさしさをわけてもらった気がして嬉しくなった。

それはお店そのものにも当てはまる。品の良いスパイスのようにアートの香りが漂う店内で数々の本を眺め、時には手に取り、ぱらぱらとページをめくっていると、アートの世界が寄り添うように近付いてくる。もちろん、朗らかさを持って。

TIMELESSのコンセプトとは

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決して大きなお店ではないけれど「ここでしか売っていない本がある、と思ってもらえたら嬉しいですね」という岩崎さんの言葉どおり、選びに選び抜かれたビジュアル・アートや絵本、絶版になった雑誌など、数々の本が並ぶ。

店名の由来は「いつまで経っても価値が変わらないものを大切にしたい」とのこと。店名どおり、置かれている本は、過去を、未来を、そして現代を、大きく呼吸しているように思えた。

ほんのりとした明かりが灯っている店内にいるだけで、自分の空白の気持ちにアートという、ひとつの集約点が生まれてくる。TIMELESSとは、そういう古本屋なのだ。

今後の展開は・・・

本の方から語りかけてくるようだなあと思いながら本棚を眺めていたら声がした。
「ゆくゆくはイベントを開催したり、将来はブック・カフェにしたいんです」と。そのお話を聞いたとき、僕はすごくワクワクした。

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TIMELESSを経営しているお二人はとても素敵で柔らかい空気を身にまとっているようだった。お話を聞いているだけで気持ちのわだかまりがゆっくりと溶けていく。

そんなお二人と共にTIMELESSという素敵なお店で、アートや文学、音楽などについて語り合えることができたら、素晴らしく魅力的だと思ったのだ。想像しただけで胸が高鳴る。

NATTY BOOKS and CHILL TIMES

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僕はいまだにアートとは何なのか回答は出せていない。

けれども、かつて三島由紀夫が言ったように「人の気持ちを豊かにするものは芸術に成り得る」とすれば、店内にいるだけで気持ちが潤うTIMELESSという古本屋そのものがアートなのかもしれない。

「探している本はTIMELESSにある、という店にしたい」と岩崎さんは仰っていた。実際に他の本屋では見かけない本がたくさんあった。けれども僕はそれ以上に、このお店に出会い、記事に出来たことが何より嬉しい。

西荻窪在住の人々といわず、中央線沿いに住んでいない方も、ぜひ足を運んでほしい。感性を刺激する本の数々と、笑顔のようなやさしさが待っている。

古本屋 TIMELESS
twitter:@TIMELESSwestogi
住所:東京都杉並区西荻北3-21-5
電話:03-3395-8687
営業時間:13:00-22:00
定休日:火曜日、毎月第2第4月曜日

文・取材 / 田中喬史

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